婚活というビジネス

考えてみたら、婚活が「ビジネス」として俄かに脚光を浴びてきたのは、ほんのここ数年のことだ。


その先鞭をつけたのは白河桃子かといえば、必ずしもそうとも思えない。
彼女は昔から「おみー君」のような、婚活のルポを書いてたけど、あくまでもそれは結婚できない痛い男を面白おかしく論う程度のものだった。
むしろ彼女は後から流行に乗っかって旗を振り、さも自分が起こしたムーブメントだとでも言わんばかりの顔をしてるだけ。



これは全くエビデンスのない勝手な推測なのだが(そして何らかの有効なエビデンスを持っている人は教えて欲しいのだけど)、元々の発端は「出会い系サイト」ではなかったのかと思う。


インターネットという道具で何か商売できないかと鵜の目鷹の目だった人たちが、海の向こうのmatch.comの評判に目をつけた。
元々アメリカには自分を新聞で広告する(それの日本版が懐かしの「じゃまーる」ですね)ことが普通に行われてたから、match.comは自然に馴染んだのだろう。


しかし日本では出会い系というと即、テレクラ、風俗、といったイメージだった。
そこで「見合い」という古来の風習のスパイスを振りかけることで、素人の女性が参加しやすいようにハードルを下げたのだろう。


しかし現在のように婚活がビジネスとして注目されてくると、それとは別の狙いも想像せずにはいられない。


そこで思い出すのは介護ビジネスである。
思い出そう。
ネコも杓子も介護ビジネスに参入した時期。
参入障壁の低さ、個人事業主の多さ、そして参入者の素人臭さ。
一瞬存在した「介護ビジネスバブル」。
そしてどうやら頭で算段したほど金にはならないとわかった途端に、見事に潮が引いていった様。
ニチイ学館の株価(笑)


なんというか、現在の婚活ビジネスを見てると、あの歴史を思い出さずにはいられない。
おそらくあと3年もすれば、入会した結婚相談所が潰れて、金が返ってこないと問題になったりするだろう。


他にも似たビジネスはある。
ひとつは「英会話学校」、もうひとつが「宗教法人」である。


前者については、おそらく、生徒のほとんどが当初の目的を達成していないにもかかわらず、そこに所属さえすれば何とかなるんじゃないか風な幻想を抱かせるところ。


後者は元々不安や悩みを抱えた人を集め、そうでなければ敢えて不穏な未来予想をこれでもかと見せつけ、でもこれを信じれば未来は薔薇色という刷り込みを行なうことで信者の心をガッチリ洗脳するあたり。


この先婚活ビジネスそのものがどういう趨勢を辿るのか、自分の活動とは別に興味が尽きないところである。