お詫び
このブログ用に取得していたGmailアドレスが、2月6日、今流行の乗っ取りにあってしまいました。
私のセキュリティ管理能力の低さ故で言い訳のしようもありませんが、このアドレスは送受信したメールのアドレスが自動的に連絡先に登録される設定になっており(ちなみにこれがデフォルトです)、連絡先に登録されている方々に勝手にメールが送信されてしまいました。
怪しいメールが届いた皆様には、ご迷惑おかけしましたこと、お詫び申し上げます。
(あえて個別にお詫びのメールを送ることはしていません。お許しくださいませ。)
ちなみにアクティビティを見ると、その乗っ取りメールが送信された日にアメリカから多数の(不正)アクセスが確認されました・・・。
しかも端末はAndroid・・・最近はスマホからこういうことが出来るのでしょうか???
皆さまも「まさか私が・・・」と思わず、セキュリティ強化されることをお勧めします。
なぜマッキンゼーの人は年俸1億円でも辞めるのか? | 田中 裕輔
看板に偽りがありすぎます。
正しい書名はコレです。
「なぜマッキンゼーの人はくだらない本しか書けないのか?」
ちなみにこの本と同じ、自伝風広告本として、文体から何から何までそっくりなのが、南壮一郎の「絶対ブレない「軸」のつくり方」。
思わず、ゴーストライターが同じ人間じゃないのかと思って奥付をひっくり返して確認してしまったよ。
残念ながら、南氏の本の方が読み物として断然面白かった。
だいたい田中氏は経歴からして小物すぎる。マッキンゼーの史上最年少マネジャーって・・・ 最後(w)だろ? え、つかないの? みたいな。
経歴がしょぼいなら、せめて活劇的に面白い人生歩んでくれてればいいんだけど、それもないので、仕方なくマッキンゼーのイシューやらミッシーやらネッシーやらでお茶を濁してみるも、退屈なだけ・・・。
本の中に、小説を書いて文學界に応募したとあったけど・・・まぁいいや。
悪口ばかりもアレなので、ひとつだけ面白かったところを挙げると、リーマンショック後、マッキンゼーもご多聞にもれず社風が少し変化してしまう(もちろん良くない方に)・・・そしてそれが彼の退職理由の一つでもあるのだが、その辺が平行して読んでた「訣別ゴールドマンサックス」と重なる部分があり、興味深かった。
ところで最近マッキンゼー出身者、やたら本を書いてて、そしてやたら売れてる風だよね。
この田中氏の、ブログを自費出版したの?みたいな本でも、丸善あたりじゃ平積みですよ。
大前先生はともかくとして、この流れを作ったのは間違いなく勝間氏でしょう。
「あいつに出来るなら俺(私)にだって・・・」とマッキンゼー諸氏のハートに火をつけたに違いない。
勝間氏と言えば、最近彼女は何故か打ち出し方を変えてきたよね、明らかに。
「有名人になる」ということ、辺りからかしら。
「こう見えて案外、ドジでのろまで愚直な私だけど」路線。
コミュ障な私、女子力の足りない私、世渡りが下手で不器用な私、でも私はいつも一生懸命、計算があるわけじゃないの・・・天然なの、わかってくれるよね、みんな!みたいな。
この突然のキャラ変更。PR会社を変えたのでしょうか?いったいどこら辺をターゲットにしたストラテジーなのか・・・。
そういえばこの前までフォトリーの広告塔だったくせに、最近はなんちゃら心理学(知ってるけどあえて書かない・・・もちろんちゃんとした学問ではなく、NLPみたいなやつなね)の宣伝に夢中だし。
ユーはいったい何になりたいの?
「なぜマッキンゼーの人は迷走しやすいのか?」
正しいタイトルはこっちかもしれない。
- 作者: 田中裕輔
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2012/06/15
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- 作者: 南壮一郎
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- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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つぎはちきりん本かな・・・。
頭が良くて男前という存在がありえる世代
あけましておめでとうございます。
正月に昼夜逆転した生活のおかげで、偶然にも夜中に「新世代が解く!ニッポンのジレンマ」という番組を観ることが出来ました。
内容自体も、昨年一年間私が抱えていたモヤモヤとモロかぶりだったし、何よりも私が今もっともはまる男前*1、猪子寿之が出てたのが嬉しかったねぇ。
↓猪子寿之
正月から男前を観られて、テレビの前でニタニタしておりました。
ずっと猪子だけしゃべっててくれたらいいのに。
頭がグリースでテラテラしたのび太*2とか、いらないから。
アムウェイの女*3とかホント、しゃべらなくていいから!
一番面白かったのがね、のび太が「猪子さんは何で就職しなかったんですか?就職しなくて不安じゃなかった?」というようなことを質問した時。
それに対して猪子さん(以下、男前)が「だって、弥生時代に、農業覚えなきゃいけないときに、縄文時代の狩りの仕方とか覚えても仕方ないと思ったから。」って言ったとき。
かっこよかったねぇ。
実際のところはほとんどの人には当てはまらない話だけど、あぁいう風にずばっと男前顔で言いきられちゃうと、やーん、ついてきます〜ってなるよね、女は。
それに対して、のび太が「僕は学生時代にマルクスの資本論を読んで、労働者というのは搾取される存在だと知ってうんぬんで、だから実際に搾取される労働者として資本主義を経験してみようと思って就職しました。」みたいな超くだらない話を始めて・・・アレかっこ悪かったなぁ。
言ってることはすごくわかる。し、実際に普通の人が普通に歩いていく道は99.8%、それしかないと思う。
だけど、彼の発言は「あぁこの人の本って、読む価値ないだろうなぁ」と思わせるのに十分、面白くなかった。
ちょっと可愛そうだったけどね。
なんか、天才と凡才の違いを、画面の前で残酷に鮮やかに、切り取られた感じだったな。
私達はネットの世界のスピード感や情報の集め方にならされすぎてしまって、常に新規で珍奇なものを強烈に欲しているからね。
0.01秒の待ち時間が耐えられないほどにストレスに感じる。
もう新しい知見が得られないものを読んだり聞いたりしたくないんだな。
どうでもいいことは、どこかで聞いたような話には、もう飽き飽きしてる。
誰でも知ってるようなことを、したり顔で語られたりすると(「起業、起業っていけど、起業の大半は普通の飲食店や土建なんでえすよ。大半が3年以内に廃業するんですよ。」みたいな。はいはい、「〈起業〉という幻想 」ですね。とか。)「うざっ」と思う。
(で、それに対する男前の反応も良かったなぁ。「それは平均でしょ。平均の話なんかしても仕方ないの。」みたいなこと。つまり、例え大半の人が廃業する起業であっても、その中の1%か2%がイノベーションを生み出すことにこそ起業の意味がある、みたいなことを言わんとしてたんだけど、まぁ彼の立ち位置からしたら、まさにそうだよね。)
しかし最後の方はやっぱり眠気に勝てなかったな。
結局この番組が、何に向かって討論してるのかさっぱりわからなかったから。
格差をなくしましょうという話なのか、格差社会の中で下層階級の人間が生き延びる方法なのか、中上層の人間がより働きやすい環境を目指す方法なのか。
目指すところがわからないから、それぞれの人がそれぞれの立場で思いついたことを話してるだけという印象。
そんでアムウェイが「私は特別じゃないんです。私は人のつながりに助けられただけです。SNS万歳!評判経済!アフィリエイト!円天!」(←脚色あり)とか言ってちゃんちゃん、みたいな。
これ観ても、下のヒトたちからしたら、才能に恵まれた人たちの豊かな世界の話ですね、って感じだろうし。
下の人が直面してるのは、正社員になれない、まともな職業経験も積めない、未来が見えない、という絶望感。
一方、とりあえず正社員に滑り込んだ人の悩みは、「自分らしい生き方」と「金」「欲」「安定」との折り合い、もっといえば、今の会社にしがみつくしかないという閉塞感。
両者の悩みはともに同じ時代に存在するものだけど、全く違うジャンルの話だ。
だけど番組はどちらにも焦点を定められないまま、だらだらと続いてた気がする。
そして、多分、思うに、結構多くの人がその両方に属していて、両方の悩みをもってるんじゃないかと思うのだ。
やっとこさ正社員になったとしても薄給で仕事は面白くなく、
かといって仕事を選べるほどの才能もなく(男前が「副業をすればいい」と言ってたけど、副業が出来るほどの手に職がある人間ならさほど未来を思い悩んだりしないし、そもそも思い悩んでる時間もない。)、
かといって食べる為なら何でもやりますという中国のヒトみたいな生命力もない(やっぱり仕事をどこかで選んでいる)、
とはいえ出来ることなら仕事で自己実現したい、せめて自分のありたい姿とブレない働き方をしたいと思っている・・・みたいな感じなんじゃないかなと思うんだけどね。
だからこそ、番組もどっちにもつかない形で進まざるを得なかったのかもしれないけど。
あとどうでもいい雑感として、やたら舌のまわる昔の宮台みたいな男*4が、尺をとってペラペラしゃべるのが鬱陶しいことこの上なかった。よくしゃべるのに中身が何にもないから。編集者にありがちなパターン。青井、もうちょい仕切れよ。
ついでにいえば、西條とかいう早稲田のMBA講師とかいう人物が、頭の回転がトロイのかよくわからないが、毎回あさっての方向にもっていく話をNHKの編集が容赦なく途中でぶった切ってたのが笑えた。
最後に、出演者の9割が自分より年下というのも、あぁ年をとりましたねぇと思わせられる年初でございました。
(ちなみに、このエントリを書いたのは、男前のYoutubeを張り付けたかったからです(笑))
おまけ
アムウェイと男前の対談
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/33023
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/33246
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/33283
男前が日比野克彦にちょっといじめられるとこが萌える
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- 作者: 木暮太一
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熟女の品格|岩井志麻子
今年最後の記事が、岩井志麻子って、2012年、厄落としみたいなものですね。
来年の手帳レフィルを買いに行く前に、今年の手帳をパラパラめくって見てました。
本当に今年はろくな一年じゃなかった。
思えば願ったことがひとつも叶わなかった。
年初に抱えていた問題は、結局解決を見ず、来年へ持越しとなった。
ふと考える。
これはいったいどういうことか。
この一年、私は何をしてたのだろうか。
全て霧の中ののようにぼんやりとしか思い出せない。
ただひたすら、つらく、苦しく、居心地が悪かった。
どこからか神様が現れて、奇跡を起こしてくれるのを待ってるだけだった。
思えば、年々、欲望の度合いが低くなっているような気がする。
四六時中頭から離れないほど、恋い焦がれるものが無くなってきた。
欲しいものに対する情熱が薄いのだから、願いが叶わないのも当然である。
自分が何を欲しいのか、さっぱりわからなくなっている。
「欲しいものが欲しい・・・」
今年一番呟いたセリフかもしれない。
これだけは、喉から手が出るほど欲しい。
この本は冒頭が一番読ませる。
さらに、とてもその歳には見えないきれいな熟女を「美魔女」などとオシャレな女性誌までが特集し、本当に若々しい同世代や、もっと上とは信じられない美女が芸能界だけでなく身近にもあふれるようになりました。
彼女らを羨望し、ああなりたいわと願い、ときにケッと嫉妬もしました。けれど「しんどいなぁ。しんどかろうなぁ」と嘆息したのも事実です。
「女はいつまでも若々しく」「自分をオバサンと思ったら終わり」「若い女にも負けず、若い女に憧れられる女にならなきゃ」といった、一見するとオバサンを立て、アゲてくれそうなスローガンの数々。
これらはオバサンを解放してくれ、救ってくれるようでいて、逆に昔の「オバサンはすっこんでろ」「あとはバアサンになるだけ」よりも、いっそうオバサンを追いつめる勢力となってはいませんか。
(中略)
なんで、オバサンがオバサンであってはいけないのでしょう。どうしてオバサンが若い女のふりをしなきゃならないのでしょう。なぜに、熟れた果実が青臭い偽装をしなきゃ許されないと感じてしまうのでしょう。
そうだよねぇと思う。
私も常々、「STORY」をめくるたびに、そのギラギラした負けん気に胸やけを覚えていた。
液晶の向こうから、何の華も無くなった鈴木保奈美が「ちゃんと年下のヒトから憧れられてる?」と問いかけるCMにうんざりする。
ここで言う「年下のヒト」とは間違いなく「年下の女性」である。
でも若い子に聞いてみたい。
昔ドラマで有名だったらしい(「あぁ、お母さんに聞いたことがあります」)、「とんねるずの嫁」に、憧れる?
若作りして、皺を伸ばして、パートでドラマに出演する女に「憧れる」のは、「年下」じゃなくて「同世代」だ。間違いなく。
私がまだ若かった頃、「年をとったらこんな風になりたい」と憧れた女性は「キャサリン・ヘップバーン」だった。
(当時、オサレな雑誌でオサレピープルが必ずあげる本がキャサリン・ヘップバーンの写真集だった。)
他にも「向田邦子」や「白洲正子」、「ジャンヌ・モロー」や「ジェーン・バーキン」、今時なら「島田順子」も入るかもしれない。
彼女たちに共通しているのは、いかに年をとらないように努力するか(引き算)、ではなく、良い年を重ねて魅力を増している(足し算)、いるという点だ。
そこにあるのは美しさだけではない。
知性。
個性。
意志。
女が憧れる年上の女性って、そういうものではないか?
だって、「いかに若く見えるか」が価値の基準であるなら、自分より「年寄り」はすべからく自分より劣る、ということになるのだから。
いくら若く見えようともそれはフェイクであり、整形美人がオリジナル美人にはどうやったって勝てないのと同じで、ホンモノの若さに勝てる若作りなどありえない。
だから、シャンプーのCMで「年下のヒトに憧れられてる?」なんて、ちゃんちゃらおかしい話なのである。
もちろん男の視点など知らん。
私は男ではないから、遺伝子学的には男は生殖能力が低い女には欲情しないようになっていると言われれば、そうですか、女も繁殖能力の低い男(=経済力のない男)には欲情しないのだから仕方ないですね、としか言いようがない。
感性に劣る男には女のフェイクを見抜けないのかもしれない。
だとすれば、若作りしたオバサンもホンモノの若い女に勝ち目があるかもしれない。
だけどそれは「憧れる」とは違うだろう。
ちゃんと「やりたいと思われてる?」と聞くべきだ。(やばい、志麻子の影響でついつい下品に・・・)
そして冒頭の話に戻る。
目標がひとつも達成できてないと嘆く私は、結局、間違った目標設定をしている、ということなのかもしれない。
若作りをして、「なんで28歳に見られないのかしら?」と首をひねってるようなものなのかもしれない。
なれもしないものに憧れたり、こうあるべきという思い込みに縛られて本当に望むものでないものを望んでいたり。
そんなことをして、浪費している時間なんて本当に無いのに!
以前どこかで岩井志麻子が中村うさぎと「HKB48」(ヘイケイビー48)と名乗ってて大笑いしたけど、私もあと10年もすれば閉経だ。
そのことを日々強く意識するようになっている。
それまでに少しずつ、正しい年のとりかたを覚えていかなければいけないと思う。
そのことにきちんと向き合っていないと、やがてくる更年期が相当苦しいものになるだろうことが容易に想像できる。
自分がなりたかった大人の女性は、知性があって、自分で自分を幸せにできる、強い女性だった。
岩井志麻子も頭の良い、自分を知っている、とても強い女性だと思う。
・・・憧れはしないけど。
- 作者: 岩井志麻子
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The Private World of Katharine Hepburn
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それなりに生きている | 群ようこ
群ようこというのは、私の中では「本の雑誌」で事務員をしてたらエッセイストになれたラッキーな人、くらいの認識しかなかった。
世間的には「猫好きなおばさん」という感じなのだろうか。
猫に対して何の思い入れもない読者からすれば、読めば面白いが、全作品を読みたいと思えるほどにはまる何かは無い。
まぁ毒にも薬にもならない、イラストレーションのような作風の人だと思う。(無くても全然困らないが、あればあったで良いしという・・・)
・・・のだが、最近、本屋で配ってる無料の宣伝誌の中に掲載されていた作品をたまたま目にして、日々寄る年波を実感しつつゆるゆる暮らしている独身女性の生活、という作風に少し親近感を覚えてしまった。
ということで、手に取ったこの本。
しかし猫好きな独身おばさんというのは、当然、一般的な「おばさん」(主婦で、子供は大学生で、旦那はサラリーマン・・・みたいな)と比べると、やっぱり個性が際立ちますね。
少し前にさかもと未明がJALの機内でガキ相手に暴れた話で大変に物議をかもしていたが、群ようこもこの地味な作品の中でなかなか物騒なことを書いている。
Amazonにひとつだけついてた書評でもそのことに触れていたから、やはり誰が読んでも穏やかでないものがあるということだろう。
私的には、どっちかというとこれを編集が通したということの方にびっくりである。
その内容を一言でまとめると、「子供はうるさいので、少子化くらいがちょうど良い」である。
まぁもちろん彼女としては半分冗談なのであろうが、結構半分、本気(マジ)のような気もする。
私も上記のさかもと未明が遭遇した状況について、自分だったらどうだろうかと考えるまでもなく、(クレームはともかくとして)間違いなくイライラする。
(だから飛行機を予約するときは、必ず「幼」マークから遠い席を選ぶ。)
私も群さんと同じで、自分に子供がいないし、子供を特別にかわいいと思うこともない。
また、群さんも書いていたが、私も子供時代、とても聞き分けの良い子で、ギャン泣きしておもちゃの前から一歩も動かない、というようなことはついぞ無かった。
というより、親が厳しくてそんなことをしようものなら(言葉の)鉄拳制裁が飛んでくるので、とてもじゃないがそんな我儘は言えなかったのである。
だからファミレスで奇声をあげながら走り回るような子供は、子供の性質というより親のしつけに問題があるのではないかと、ついつい思ってしまう。
だが、さすがに私には群さんのように「少子化でちょうど良い」と言う勇気はない。
大手小町など読んでいるとたまに
「私たちは子供を産んで国の役に立っているのに、お前らは遊び呆けて子供も産まず女としての義務を果たしてない」
というような主張を見かけるが、まったくその通りでございます、あいすみません、という気持ちがあるからだ。
なので、極力子供が好きなふりをし、少子化を憂うふりをし、電車で泣き叫ぶ赤ん坊の声も気にならないふりをする。
経産婦ならストレスフリーな状況で、我々独身女性は二重のストレスにさらされる、という訳だ。
しかし日本は子供に優しくない国だというが、老人にも病人にも、基本的に誰にも優しくない国だ。
時間をこれほど厳守し、遅刻に厳しい国は他にないし、「普通」と言われる道を外れることにも大変厳しい。
人生の寄り道などありえないし、失敗も許さないからやり直しもきかない。
清潔で新しいものが好きだから、汚いものや古いものを許さない。
小さくて幼い女が好きだから、成長して知恵のついた女は受け入れない。
当然、「日本人」以外の日本人は認めないし、移民などもっての他だろう。
そんな国が、小さな子供だけには寛容になれ・・・だなんて、ずいぶん都合の良い話じゃないか?
小心なおばさんの主張はせいぜいこのくらいが限度である。
それに子供はうるさくても、自分の近くにいなければいいだけの話。
若いお嬢さんたち、婚活に励んで産めよ増やせよ。
そんで年金よろしくね!
- 作者: 群ようこ
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こんなん読みました
二つのIDを管理するのが面倒くさくなってきたので、実家に戻って参りました。
これも一時の気まぐれかもしれませんが。
年末のこの時期はいつも心がざわざわして、衝動的な行動に出てしまうものです。
***
最近、読んだものを端から端から忘れていくので、困ったものです。
ということで備忘録。
生きぞこない …… エリートビジネスマンの「どん底」からの脱出記
- 作者: 北嶋一郎
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2012/06/05
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生きぞこない …… エリートビジネスマンの「どん底」からの脱出記 | 北嶋一郎
まずタイトルが「誇大広告」です。
「エリート」じゃないし。
あと、別に「脱出」もしてないし。
はっきり言って、内容は自費出版の自分史レベルです。
ただ、文章が上手です。
さすが長年ブログを書いてただけあって、読ませる。
しかも他人の不幸は蜜の味。
文字密度の低いスカスカな本なので、そのスピーディーな展開もあいまって、読者は2時間もあればあっという間にエンディングまで主人公と一緒に転がり落ちることができます。
結局、この本の主題は、このタイトルとは全然別のところにあって、双極 II 型障害というのがどれほどその人の社会的資産(金銭や評判)を損なう可能性のある危険な病気か、ということです。
まぁそうはいっても、多くの人はこれを読んで「単に浪費癖とDV癖のある男の物語じゃないのか?」と思うでしょうし、私もこういうタイプの躁うつ病は「擬態うつ病」とかと同じで、なかなか判断が難しいと思う部分もありますが。
たかだか年収2千万程度で、ポルシェを乗り回したり、和光を貸切って高給時計を大人買いしたり、恋人にマンションをあげたりするのは、まともな金銭感覚ではありえません。
バブルが崩壊して、世間が金融不況であえいでいる中、40代のおっさんが「いくらでも次の仕事は見つかる」と思っているのも、とても「エリート」ビジネスマンとは思えない感度です。
逆に言えば、こういう人でも2千万円も稼ぐことができたくらい、ほんの数年前までの日本にはまだまだ余力があった、特に英語が話せるということにどれほどのアドバンテージがあったかということを思い知らされます。
もう一つ特徴的だと思ったのは、彼が世間とつながる方法がほとんどネット経由であったという点です。
自殺を未遂に終わらせてくれたのもブログつながりの人達だし、新しい恋人もTwitterで出会った相手、学生時代の友人と再会するのもFacebookです。
それが今の20代やそれより下の世代ならともかく、65年生まれのおっさんですからね。
元IBMだから当然といえば当然なんですけど。時代的でなかなか面白いと思いました。
- 作者: 内館牧子
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2005/04/01
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夢を叶える夢を見た | 内館牧子
少し前までのサラリーマンは、自分の所属する会社の知名度が自分自身のアイデンティティとなってたようなところがありますね。
前の本の北嶋さんも何度もそのことを強調してましたし、この内館牧子さんも全く同様です。
内館さんの中では、「三菱重工出身」というのはものすごく価値のある経歴なんでしょう。
そこらへんが、そうした価値観とは無縁に生きてきた人間には、とても共感を呼びづらいと思います。
これは受験勉強が青春だった人たちの間では偏差値5の重みが共有できるのに(東大と早慶とMARCHじゃ天と地ほども違うし、更にその中の大学やら学部やらでも全く意味が違ってくる)、高卒やさほど大学受験に重きを置いてなかった人たちにはその価値(出身者自身の主観的価値)が理解しにくいのと同じです。
ですから大企業のサラリーマンであればあるほど、それに対する主観的価値が大きくなりすぎて、余計にその場所を捨てて別のところに飛び出す勇気が持ち辛い、という面があるかもしれません。
しかしのご時世では、大きな会社に勤めている人じゃなくても、今ある安定を捨てて荒波に飛び込んでいくことはなかなか勇気がいることなのは確かでしょう。
こういうことはついついイチゼロで考えてしまいがちです。特に日本はやり直しのきかない社会だと言われていますからね。
リブセンスの可愛い社長BOYがインタビューで「失敗しても経験が残る(から起業はリスクではない)。」というようなことを語っていましたが 、そう考えられる人なら夢に向かって飛び出せるのだろうし、そういう風には思えない(失敗して蓄財を全て失ったらゼロになると考える)人はなかなか飛び出すことは難しいでしょう。
私がこの本の中で最も胸が締め付けられたのは、50歳の女性の語る「飛べばよかった」という後悔を語るパートでした。
その人は過去に転職のチャンスをみすみす逃し、今では会社の中で「おばさん」呼ばわりされています。
しかも「おばさん」呼ばわりして邪険にするのは男だけじゃなく、若い女も共犯なのです。
彼女はその陰口をたまたま耳にしてしまいます。
そして深く落ち込み、「あの時飛んでいれば・・・」と思うのです。
もっとも、若い時に勇気をもって新天地に飛び出していったとしても、それでも50歳の女性が「おばさん」呼ばわりされることはどこの会社に行っても変わらないようにも思います。
自分の周りを見ていても、そこまで露骨ではなくとも、女性は40代後半になると本当に辛い立場に置かれます。
男性社員からは透明人間か何かのように扱われ、少しでも面倒くさいことを言おうものなら「だからおばさんは面倒くさい」ともいわんばかりの邪険な態度をとられます。
確かに「おばさん」の話は長い。そしてくどい。
だけどお前ら、「女の子」の話はどんなに「くだらない」「要領を得ない」話でもやたら熱心にへらへらしながら耳を傾けてるんだろうが!と言いたい。
女は30を超えると、一年一年、年輪を刻むように、世間の(というか男の)世知辛さを身に染みて感じるようになります。
しかし40代、あるいは50代のそれは30代とは比較にならないほどキツイ、ツンドラ級に冷たいものなのだと私も覚悟しています。
彼女たちが理不尽に冷遇されて働き続けている姿を見ると、私はとても他人事とは思えず、哀しくなります。
そして毎日のように、どうにかして楽しく長いキャリアを続ける方法がないものかと、考え続けています。
- 作者: 瀧本哲史
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/09/22
- メディア: 単行本
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僕は君たちに武器を配りたい | 瀧本哲史
本年のGrrrly的がっかりアワード受賞作。
元マッキンゼーのコンサルで京大の先生ともあろうものがこんなしょうもない本書いてていいんか?
しかも、またそれが売れてるっつうのも何だかなぁ・・・。
本の中で瀧本さんはリベラル・アーツの大切さを訴えっているけど、この本からは彼の教養の欠片も感じられない。
だけどコンサルだけあって、プレゼンつくりだけは上手。
「コモディティになってはいけない」とか「儲かる漁師の6タイプ」とか。
しかしいかんせん、内容が薄い。ぺらっぺら。
日経新聞を鵜呑みにするなとか。
個人投資家は機関投資家の食い物にされるのがオチとか。
大企業に入ったからといって安泰なんてことはないんですよ、40年前の学生の就職したい企業ランキングを知ってますか!?とか。
・・・知ってるよ。
そんでもって、大企業だっていつ潰れるかわかりません!山一證券を見てみなさい!
・・・毎回毎回この手の話する人は間違いなく全員山一と長銀を例に出しますが、逆に言えば、山一や長銀くらいしかそういう例は無いってことですよ?
いや、もちろん大企業に入っても安泰でないことは認めます。
一介のサラリーマンなんて本当に歯車でしかないですからね。
でもどうしろっていうの?
全員が企業家になれるわけじゃないでしょう?
中小企業になんて入ったらもっと不安定なんです。
中小企業ならいろんな仕事の経験をさせてもらえてうんぬん言う人いますけど、大抵の中小企業はその企業なりの規模の仕事しかさせてもらえません。
しかも残念なことに、そうした企業は(特に景気が良かった時期は)なかなか優秀な人材を雇用することが難しいので、必然的にあなたの上司は無能な上司になります。
無能な上司の下で理不尽にこきつかわれることの苦しさを知ってて言ってんでしょうかね?こういう人たちは。
先に内館牧子さんの本を紹介した際に、私は彼女の大企業マンセーっぷりを叩きましたけど、実は一方で、彼女の言っていることに非常に共感する部分もあるのです。
それは「大企業には質の良い人材が集まっている」ということです。
会社というのは働くという経験をするところですけど、同時に社会でもあります。
社会の構成員の質が高い場所で一日の大半を過ごすことができるというのは、それだけストレスが少ないということです。
こういうことを書くと差別的だと感じる人が沢山いるのはわかっています。
でもそれは事実です。質という言い方が悪いかもしれませんね。要は頭の回転が良く、礼儀正しく、言われなくてもルールにきちんと従い、自らの職務を遂行する能力が高い人が沢山いるということです。
日本の学校教育というのはそういう質の人間を養成する(しつける)トレーニングだし、そういうことに対して適性がある人間を喜んで雇うのが大企業なのです。
話がずれまくってますが・・・。
とにかく、学生に起業論などを教えてる人ならせめて、
「日本では何故投資家が嫌われるのか、それは士農工商の身分制度の影響です。」
なんていうトンデモ推論を書いてる暇があったら、もう少しまともに研究してください。
そして次の本こそは1枚でも付箋が貼れる本を書いてくれることを期待してます。
そういえばフィギュアは女子力のスポーツ
週末、サンデーモーニングのスポーツコーナーのゲストに伊藤みどりが出演してました。
伊藤みどり・・・全然変わらないなぁ・・・個性がありすぎる顔よね。
そこにテロップ。
伊藤みどり(43)
ち、ちょっと待ったぁ!
何故年齢表記が必要なのか?
じゃなくて・・・
よんじゅうさん!?
朝からちょっとした衝撃。
みどり姐さん、もっともっとも〜っと年上かと思ってました。
・・・そっか、天才少女だもんね。
実はほんの数歳年上の先輩だったのね。
しかしそうなると、ちょっとみどり先輩、それにしちゃぁおばさんおねえさんすぎやしませんこと?
俄然、興味を持って画面を凝視し始めるGrrrly。
さらに衝撃的なものを発見してしまいます。
ゆ、指輪・・・???
あれはどっからどう見ても、薬指に指輪。
しかもどっちが左手かようわからんわ!という画面の前の視聴者にも誤解が無いようにという細かい配慮でしょうか、ご丁寧に両方の薬指に指輪がはめてありますよ。
えー、みどり結婚してんの?(マジかよ!?)
正直、私にとってはヤワラの結婚の千倍くらい納得いかない。
思わずグーグルさんに聞いてしまったよ。
「グーグルさん、グーグルさん、伊藤みどりさんが結婚してるって本当?」
検索窓に「伊藤みどり」って入れたわよ。
グーグルさんの検索候補を見て三度目のびっくり。
「伊藤みどり 再婚」
結婚じゃなくて、再婚。
再婚!?一度ならずも二度までも!?
さすがオリンピック銀メダリストは違いますね。
おみそれしました。