「プロフェッショナル・エッセイスト(!?)の作り方」を見たゼ!

もう先週末のことですが、空中キャンプの中の人である伊藤聡さんと岸本佐知子さんのトークイベントを観て来ました。
空中キャンプで告知が出てすぐにチケットとったんだけど、即日完売だったらしい。
すごいなぁ、空キャン。
ただあぁいう空間はホントに久しぶりで、「どうしよう、子供ばっかりだったら・・・」と心配しておりましたが、なんかそこそこ大学生くらいから30代後半くらいまでいい感じに散らばってる印象。
と言いつつ、あの手の空間にいたたまれない性質なので一番遅く入って一番早く出た、って感じなので実は違ってるかもしれないけど。


で、確か当初の目的はそもそも愛読している空中キャンプの中の人がどんなスウィート男子なのか拝見してみたい!というヒジョーに下世話な興味だったのだけど、結局私が衝撃を受けて帰ってきたのは岸本さんのビタースウィート。
やばい!惚れる!
美人翻訳家ってこういう人のこと言うんだわ・・・。
ホントにホントに綺麗なの、細くって(何で毎日100歩くらいしか歩かない人があんなに細くて、毎日自転車通勤してる私がこんなにデブなのか納得いかない!)、色白で華奢で白いシャツにVネックのセーターという女学生ガーリーなファッションもえらい似合ってて、もう全く30代後半くらいにしか見えない。(生年月日みたらビビる、マジ。)


そして私は何故か過去の記憶が崩壊しててデフラグが必要な状態なので、当日まで岸本さんの名前を佐和子だと思ってたし(友達の名前と混同)、岸本さんが私の大好きなローリー・ムーアを訳してると思ってた。
ローリー・ムーアについては柴田さんが褒めてた→ちょっとヘン→岸本さん・・・という連想なのかなぁ。
実際には訳してたのは古屋美登里さん。で、私は彼女の翻訳する本の方向が好きなので、その辺も混乱してる。
(但しローリー・ムーアの本の訳に関してはちょっと苦しそうだったけど。)
そうだ、今思い出したけど、岸本さんの翻訳するものは逆にヘンすぎてイマイチついていけなかったんだった。


トークの内容は結構笑ったんだけど、イマイチ覚えてない。
(いや、面白かったから私的には十分満足でしたけど。別にモノカキになりたくて聞きに行った訳じゃないからさ。)
一番印象的だったのは、モノカキになりたい人にアドバイスすると?というフリに、二人ともが
「とにかく就職しろ」
って言ってたこと。
結構ココはこの会のクライマックスだったと思う。


あと何故プロのライターにならないの?という質問に対して、伊藤さんは
「会社に行かなくなると生活が乱れるから書けなくなる」
というようなことを話してて、それは非常に彼らしいなぁと思った。
毎日2時間欠かさず英語を勉強した人、毎日欠かさずプールに通って決められたメニューをこなす人、そして毎日ブログを更新する理由を「誰かの生活の一部になりたかった」と表現する人。
なんとなくイチローっぽい、求道者っぽい雰囲気を感じる。


それにしても近頃の私は本当に小説を読まなくなった。
とにかく小説を読んでる時間があったらもっと別の、役に立つ実用書(笑)を読みたいと思ってしまう。
でもそうやって時間を効率で計りながら生きる私の人生って何なんだろうとふと立ち止まってしまった。


逆に小説って何のためにあるのだろうとも思う。
昔は、孤独な自分に寄り添う友達だった。
誰にも理解されない苦しみを共有できる人が、小説の中にだけ、いた。
だから何度も何度も同じフレーズを読んで、何度も何度も泣いた。
辛いのは私だけじゃない、耐えているのは私だけじゃない、惨めなのは私だけじゃない。
今ならそれはネットのなかに求められるのかもしれないけど、あの頃は近所の図書館にその人たちがいた。
だからもう毎日のようにそこに通って、現実から逃げて、その場所で自分を慰撫した。


今の私はそんな友達を必要としない。
孤独でも、惨めでも、辛くても。
あの頃ほどには、1人では立っていられないほどには、苦しくないから。
(鈍感になってしまっただけかもしれないけど。)
小説がいらない人生は、少なくともそれが無いと生きていけなかった人生よりは幸せだと思う。


・・・うるおいは無いけどね(笑)