映画「ブロークンイングリッシュ」Broken English
(ネタバレあります)
さて、子役といえば、私の人生で最大級の子役アイドル、永遠の心の恋人(笑)、それがベルナルド・ベルトリッチのマイナーな映画「ルナ」に主演したマシュー・バリーです。
この屈折した近親相姦変態映画は私のオールタイムフェイバリットのひとつ。
主役は「結婚しない女」のジル・クレイバーグ、これまた私の大好きな女優。
私はマシュー・バリーがその後どうしてるのか気になって気になって仕方なく、散々検索しまくった結果、今では彼はキャスティングプロデューサーとしてハリウッドで成功してることを知りました。
彼はかの「グロリア」で有名なジョン・カサベテスの息子、ニックと「処刑ライダー」という超B級映画で競演したことがきっかけで仲良くなり(というのは私の勝手な妄想です、すみません)、ニック・カサベテスのほとんどの映画のキャスティングをやってます。
で、ジョンには娘もいて、それがこの映画を監督したゾエ・カサベテスです。
(いや〜、前フリ長かったね・・・)
この映画、久しぶりに超ハマリました。
何たって「30代」「独身」で「都会(NY)に生きる」「男運の悪い」「神経症」の女性の試行錯誤を描く映画ですよ!
これを冷静に見ろといわれてもムリムリ。
しかもこの作品、どこの婚活本を参考書にしたのかしら?ってくらい、非常に教育的な内容。
つまり・・・文章で書くと非常にこっぱずかしいんですけど・・・
「人を愛するにはまず自分を愛して、自分を偽らないで生きることから始めましょう」
というのがこの映画の主題なのです。
しかも。
彼女が人生に目覚めるきっかけを与えるのがフランス男!
どうもアメリカ人には「フランス人(というかパリジャン、パリジェンヌ)はくだらない金や安定や保身よりも、食と恋愛と自由・・・つまり「本当の人生」を生きてる人たち・・・というステレオタイプな刷り込みが強固にあると思う。
演じるのは、これまた大好きなフランソワ・オゾンの「ぼくを葬る」で主役を務めたメルヴィル・プヴォー。
でも苦言を呈させてもらえば、この映画の中でメルヴィルはずーーーっと煙草を吸って、何か言いたげな憂いを含んだ眼差しで女をじっと見つめるだけの、キムタクの演技とそっくりの大根役者でしたけどね。
脚本ももう最初の最初から結末が見えてて、まぁお世辞にも上手いとはいえないものでしたけど、それも許す(というか”それも含めて”)と言いたくなるくらい完璧な
「ザ・女子の世界」
でしたよ。
失恋して仕事に身が入らなくなって、呼び止められた占い師の言葉で仕事辞めちゃうとかさ〜。
私にとって一番ぐっと来たのが、彼女がそのフランス男と一緒にお風呂に入ってて、あまりにも愛されてる(そりゃそうだ、何しろ出会って2日目なのだ)ことに急激に不安になって
「私たちの関係って何?」
って聞いてしまうシーン。
「今は君だけと付き合ってる、でも他に好きな女性が出来たらわからない。別に君と契約を交わした訳じゃないし。君だってそうじゃないの?」
・・・みたいに言われてしまうんだよね。
(このセリフも超凡庸で、予想模範回答そのものなのだが。)
彼女は
「そうよね、ごめんなさい」
とか謝ってしまう。
・・・ある!ある!ある!ある!
オンナってすぐに約束を求めてしまうのよ。
だってだって、やっぱり女の子というのはいつだって
「Happily Ever After」
を探してる生き物なの。
いやもう、痛くて痛くて身もだえしながら、ボロボロ泣きながら観てしまいました、
思い当たる節のある大人女子諸君、強力リコメンです!
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