フェミ!

今読んでるのは「対談 偽悪者のフェミニズム」。
1990年の小倉千加子の本です。
たまたま立ち寄ったBOOKOFFの100円コーナーでみかけて、「氷室冴子」の文字で迷わず収穫。
面白い!


時はアグネス論争真っ只中の90年。
バブルはまだまだこれから、日本中がブイブイだったころ。
当時小倉千加子が37歳、氷室冴子が33歳です!


私は年々日本人は大人になるのが遅くなってるような気がして仕方ないのだけど、ほんの20年前と比べても、各段に成長速度は鈍化してますね。
この中の氷室冴子のなんと老成してることか。
それは、女性に一刻も早く妻になること、母になることを強いていた時代のせいなのかもしれません。
わずか33歳の氷室冴子は、既に結婚は「無い」ものとして、老後にそなえた貯えの話までしています。
(そして、その「老後」の心配が杞憂に終わってしまったことが本当に悲しいです。)
今の33歳なんて、さぁそろそろ本気入れて相手探そうか!なんて人がゴロゴロいるというのに。


私が彼女の発言の中ですごく共感したのが、20代のころは未婚であるがゆえにオッサンたちに「性的」な扱いをされて何かとやりにくかったけど、30代になったらそれが無くなってすごく楽になったというところ。
これ、すっごいわかるなぁと。
私も20代、嫌だった。
別に私が性的に魅力的なタイプだったから、という訳じゃなくて(むしろ逆)、魅力があっても無くても、どっちにしても、一番最初の(唯一の?)物差しが「性」であることが、ヤなんですよね。
否応なく女子コンテストの舞台に上がらされて、勝手にジャッジされて、自分の「価値」が決められてしまう。
ガッツのある女子は、それこそ10代のころから、そういう世の中の仕組みを理解してて、商品としての自分の付加価値をあげることに熱心で、実際にそうやって実力を磨いてちゃんとマーケットで「売れる」自分のポジションを作り上げてたりする。
でもねぇ、やっぱりちゃんと仕事してる人には鬱陶しいと思いますよ。
だってプレゼンの中身じゃなくてパワポの技術で評価が決まったらヤでしょ。
(でも結構決まるんだな、これが。魅せるパワポは重要。)
仮にそれで仕事がとれたとしても、なんか中途半端な達成感。


そうそう、男子の中には「ブスはいじってもよい」という不文律があります。
それは逆に男子に対する「ハゲとデブはいじってもよい」っていうのと、まぁ似てる。
で、たぶん思うに、ブスっていうのはその時点で美人コンテストが行われてるリングの「場外」なんですよね。
そこは折りたたみ椅子で殴っても良い世界。
ブスはガンガン殴られる。
ヘラヘラ笑いながら殴る男子はホント怖かったです。


で、30代。
まぁ年齢詐称でまだまだリングで頑張る女子も多い21世紀とはいえ、さすがに後厄も過ぎると、たいていのオンナは場外送りです。
場外っていうか、むしろ自分が観客なんだよね。
そうなるとラクだよホント。
もう自分は判断される場所にすらいないんだ、って思うと、何て楽ちんなんだろうって思います。
後輩男子はいじりたい放題だし、オッサンは優しいし(「シタゴコロ」が無くなるとオトコってのは普通に優しいだけの生き物になると思う。なんというか、去勢されたライオンみたいなもんだな。)、なんといっても本質の部分で勝負させてもらえますし。
ようやく「ちゃんとした」リングに上がれたって感じで、こんないい時代は無いですね。
ビバ・ラ・ミソジですよ。(・・・別にラはいらないか。)


まぁそれは結局のところ私がとても「ウブ」だったからかもしれないですけどねぇ。
いつものようにまとまりませんが、とりあえず会社行ってきます。