最近こんなん読みました



人生に行き詰ると図書館に通い詰めるGrrrlyです。
いつも答えを自分の頭の中ではなく、書物の中に探してしまう。
受験勉強の弊害でしょうか。


他人の書評や、日経新聞の広告欄などで目にして、期待に胸弾ませて予約リストに入れるも、待てど暮らせど順番が回ってこず、半年くらいして忘れたころに手元に届いたのを、気を取り直して読んでみたらあらがっかり。
よくあるパターンです。
最近だと「入社1年目の教科書」とか「40代を後悔しない50のリスト」とか。
前者を何でキャリアの折り返し地点ちかいおばさんが読んでるのかよくわかりませんが。
こういうお手軽マニュアル自己啓発系は絶対無駄だと分かってるのに、ついつい手に取るのを辞められません。


同じマニュアル系でもホリエモンの「君がオヤジになる前に」は面白かった。
為になった、というんじゃなくて、純粋にホリエモンという人間の考察に良い題材だった。

最大の発見だったのは、ホリエモン林真理子の類似性だ。
読んでるうちに、だんだんan-anの「美女入門」を読んでる気がしてきた。
俺は身体鍛えてて、美味いメシ喰ってて、案外女にモテて、とっかえひっかえやってるんですよ、みたいな、突っ込みどころ満載のオレ自慢の数々。
ほんと、真理子にそっくりだわ・・・。
最初のうち、結婚や家庭を全力で否定してるくせに、最後になって、家族に捨てられて寂しかったけど俺は底まで落ちてそこから這い上がったとか。
なんだよ、結局「俺って意外と寂しがり屋で不器用なんです」宣言かよ・・・これが天然だったら可愛いけど、計算だったら最悪だなとか。
さすがに1冊ではそこの判別は出来なかったが。


君がオヤジになる前に

君がオヤジになる前に



で、結局のところ、上の本もそうだけど、面白い本って、書評や前評判じゃなくて、大抵は書棚で偶然出会うんですよね。
やっぱ本も男も狙いすぎちゃ駄目ってことね・・・。

持ち運びやすいのは新書なので、新書に当たりがあると本当に嬉しい。
しかし新書は乱造による質の低下が激しいので、まともな作品に出会うのは、もはやナイル川で砂金を探すようなもの。

ここのところGrrrlyの最大の悩みはお仕事まわりに関するもろもろ。
なのでキャリアと名のつく本を乱読中、出会ったのが「転職は寝て待て」(山口周)。



久々の大ヒットでした。
内容的には、特にキャリアディベロップメントについて多少なりとも知識のある人は、これといって新しい知見が得られるようなものではないのですが、とにかく「まとめ」として、そして知的(笑)読書体験としては最高品質の部類に入るように思う。
元々が慶応の哲学卒という経歴からか、カラバッジョの「聖マタイの召命」を枕に話が始まり、ニーチェなんかを引用して哲学っぽいエッセンスをちりばめつつ、心理学、社会学、色んなところから面白そうな話題をちょこちょこ引っ張ってきて、本題のキャリア論を展開していく流れはとても自然で一気に読める。
更にご自身の電通からコンサルという華やかなキャリア経験を全く嫌味なく裏話的に開示していくことで、イマドキの新書には必須の少し軽いエッセイ的な部分と下世話な好奇心を満たす要素も十分。このあたりは姜尚中の「悩む力」にも匹敵すると言ったら誉めすぎか。
とにかく、彼が本書の中で紹介しているような本にほとんどなじみがない人にはとても新鮮だろうし、馴染みがある人にも、「教養」あるっぽい感じ(笑)がなかなか堪えられないだろう。
この本を読んだ後、著者のブログを見つけて読んでみたが、どうやらこの本の下ごしらえは結構短期間にされているようで、案外短い期間に仕入れた知識でここまで仕上げたらしく、さすがコンサル・・・と唸ってしまった。

ちなみに、新書でのヒットは昨年読んだ水無田気流こと田中理恵子の「平成幸福論ノート」以来である。
「無頼化する女たち」も面白かった記憶はあるけど、実は内容を今思い出そうとしてもさっぱり思い出せない。



無頼化する女たち (新書y)

無頼化する女たち (新書y)



偶然の出会いとしては、他に面白かったのはバーバラ・エーレンライクの「ニッケル・アンド・ダイムド」「捨てられるホワイト・カラー」。
書評とか、書店店頭などの難点は、こういうちょっと前に出た面白い本に出会い難いこと。そういう意味で新しいものも古いものも区別なく無機質に並んでいる図書館というのは先入観のない偶然の出会いを引き寄せ易くて良いのよね。




今度読みたい。


ポジティブ病の国、アメリカ

ポジティブ病の国、アメリカ