The Blind Side しあわせの隠れ場所

(ネタバレ入ってます)


飛行機の中で観た作品をもう一つ。
アカデミー主演女優賞を獲得したサンドラ・ブロックの「しあわせの隠れ場所」です。


この映画に対する先入観が全く無かったので、ものすごく楽しめました。
何よりも一番良かったのは、この映画を通じて始めて共和党を支持する金持ちがどういう層なのか、ちょっと理解できたことですね。


彼らはもう働かなくてもお金がじゃぶじゃぶ入ってくる状態な訳です。
この映画で主人公のマイケル・オアーを養子にするSean Tuohyはタコ・ベルのオーナー。
サンドラ演じる妻のLeigh Anne Tuohyはインテリアデコレーター。
彼ら富裕層は稼ぎすぎてるという罪の意識からなのか知らないけど、とにかく慈善事業に血頭を上げてる。
まぁ普通の人は一種のステイタスシンボルとしての「慈善事業プレイ」なんですけど、そこがリー・アンの一味違うところで、彼女の場合はホンキでいい人。


ものすごい豪邸に住んでて、もう「どうやったらこんな金持ちの家庭にこんな良い子が育つわけ?」というくらい素直で思いやりと正義感にあふれた二人の子供がいて、家庭円満。
そして不幸な境遇に生まれた黒人の男の子のガーディアンになって彼をNFL選手にまで育て上げる。


ハイ、この映画、全く悪いことが起こりません。
みんないい人、最初から最後まで、昔で言う文部省のお墨付きって感じの映画。
しかもちゃんと笑いもある。
家族みんなで見られて、ニコニコしながら映画館を後に出来る・・・これもまたとっても共和党的?


それでも私は好きですね、この映画。
こんな風に世の中がみんなにとって良い場所であればいいのにって心から思う。
努力が全て報われる世界であって欲しい。


サンドラ・ブロックの演技が果たしてアカデミー賞に値するほど彼女のキャリアの中で特別に良いものだったか私にはよくわからないけど、彼女が演じたリー・アンという女性はとてもいい女だと思う。
・・・例え全米ライフル協会に所属してたとしてもね(笑)


最後に、笑ったシーンをひとつ。
役所に行って長い列に並ばされてイライラするリーが窓口の女性に「ちょっと、あなたの上司を出して」って詰め寄ると、その女性が壁を指す。
壁にかかってるのはブッシュの写真。
皮肉が利いてるわ。