だから私は空を飛ぶ

もはや旅行雑誌化してるFIGAROの今月号はパリの裏路地がどうたらこうたら特集*1
それでパラパラっと手に取った時、「あの感覚」がきた。


「わ、わかる!」


ヘレンが「ウォーター!」と叫んだシーンを思い出して欲しい。
ちょうどあんな感じ。
旅の醍醐味ってこれだと思う。


何十万も出して海外行くなんて馬鹿馬鹿しい、今どき海外でしか買えないものなんてないし、絵だって勝手に向こうから来てくれるし、だいたいヨーロッパの街並みなんてどこ見ても同んなじじゃん、古いだけ(w・・・みたいなことを言う(思う)人は沢山いるだろう。
若者の海外旅行離れが進んでるらしいけど、「こんな居心地がいい、何食べてもうまい、財布落としても戻ってくる国を出て、便器にちゃんと便座がある方が珍しい国なんかにわざわざ旅行するとか気がしれない」って思うのも、そりゃ無理はないと思う。


でもね、不思議なんだけど、映像でしか見てない記憶と、実際に体験した記憶って全然違うのね。


でもってそれって最初は気づかないんだけど、帰国して興奮も過ぎ去って暫くしてから改めてテレビや雑誌でその国の映像を見たとき、突然それが「リアル」に立ち現れる瞬間、あぁ知ってる、私、確かにここを「知ってる」よ・・・という感覚に打たれる。
その感覚こそが私を海外旅行に駆り立てるものだと思う。


だからよく「想像したことも実際に経験したことも、脳にとっては同じです。」と脳学者は言ったりするけど、理屈的にはそうなのかもしれないけど、でもやっぱり違うんだよなぁって思う。
何で違うのかわからないけど、おそらく感覚って目や耳だけじゃなくて全身・・・触覚、匂い、温度、あらゆるものから受ける刺激だから、映像や何かからの想像と、実際に体験するのでは、情報量に圧倒的な差があって、それが「わかる」っていう実感につながるんだろうな。

*1:よく見たら裏路地じゃなくてアンティークがどうたらこうたら特集だった。失礼。