フェルメール展

東京都美術館で開催中のフェルメール展に行ってきました。
私が東京で行く美術展って、100%東京都美術館
ということは、ここの美術館が東京で一番絵画の管理がしっかり出来る設備ってことなのかな?
(私が東京で美術展に行くのは世界遺産級の絵が来る時だけなので。)


基本的には長い行列で他人の頭越しにの絵画鑑賞は好きじゃない。
なんかあんまり観た気がしないのだ。
やっぱり絵って、貴族みたいに、ソファに座って何時間もうっとり観てこそ!というのがあるから。
でもまぁそんなことを言ってたら、一生の間に一度も見られず終わってしまう名画ばかりになってしまうので、フェルメールが一度にこれだけ観られる機会なんて一生に何度もないと出かけてみた。



うん、これはものすごくいい企画!
フェルメールの絵にぴったりの企画だと思った。



あんまり大ぶりの絵は、こういう企画展には向かない。
特に、やっぱりルネサンス期とか中世の宗教画とかでもそうだけど、教会に置かれてたような大きな絵は、それなりの空間で見ないと、絵の迫力が死んでしまう。
ヨーロッパの高い天井のお屋敷で観てこそ、なのだ。


けどフェルメールみたいに、街の小金持ちの商売人が描かせたくらいの小品は、このくらいの小さな(質素な)スペースでまとめて観ても、全然違和感が無い。
いやむしろ、これだけを観に海外の方々の美術館に出向いても、ちょっと拍子抜けするだろう。
しかも一人の作品をまとめて、また同時代の作者のものと一緒に観ることで、当時の絵画の流行や、手法、それから日常生活までもが、一目瞭然で、非常に分かりやすい。
これは本当に素晴らしい企画。


これだけフェルメールを一同に集めるのもさぞや大変だったろう。
私が大好きな「絵画芸術」がこれなかったのは残念だけど、代わりに来たのがアイルランド・ナショナルギャラリー所蔵の「手紙を書く婦人と召使」で、美術史美術館は何回でも行きたい、行く機会もありそうな美術館だけど、さすがにダブリンくんだりまではなかなか行けないという人間には、むしろラッキーと言ってもいい選手交代。
ちなみにこの絵は光の描写が素晴らしい。光の強弱や柔らかさが絶妙に描写されている。
それから「ワイングラスを持つ娘」のフェルメールのアトリエのステンドグラス。
これまた完璧な仕事。
(でもこの絵のお嬢さんの腕の表現が、他の場所に比べてなんかのっぺりした印象で不思議だった。)


個人的に覚書として今回のフェルメール作品一覧。
花耀亭日記さまよりコピらせて頂きました。)
《マルタとマリアの家のキリスト》(1655年頃)スコットランド国立美術館エディンバラ・)
《ディアナとニンフたち》(1655-1656年頃)マウリッツハイス美術館(ハーグ)
《小路》(1658-1660年頃)アムステルダム国立美術館アムステルダム
《ワイングラスを持つ女》(1659-1660年頃)アントン・ウルリッヒ美術館(ブラウンシュヴァイク
リュート調弦する女》(1663-1665年頃)メトロポリタン美術館(NY)
《手紙を書く婦人と召使》(1670年頃)アイルランド国立美術館(ダブリン)
《ヴァージナルの前に座る若い女》(1670年頃)個人蔵


あとフェルメールといえばこちらのHP。充実してます。


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美術展の後は雨の中、根津を散歩。
やっぱりあの辺って温泉街っぽいんよなぁ・・・。