高望みマジありえない

友人Aは「ちょっとでもいいなぁと思った男には、絶対告らせることができる」と豪語する。
ふと、自分がAだったらなぁと思う。
Aだったら、こういうときどう振舞うのだろう? Aだったら、こういうときどういう仕種をするのだろう? Aだったら、こういうときどういうセリフを口にするだろう? Aは同性から見ると最もナゾなモテ女子だ。
別に聖母のように慈悲深い訳でも、母親のように気が利く訳でも、圧倒的に知的だったりする訳でもなく、まして面白いジョークの一つも捻りだせる訳でもなく。
なのに男性はみな殺虫灯に群がる蜻蛉のように、彼女の周りに吸い寄せられては撃ち殺される。
かわいい顔してとんでもない女だよ。
ファムファタァルだよ。
悪女白書だよ。
恋愛教本など読んだところで、人生はイレギュラーケースの連続。ほんと便所紙ほど役にも立ちやしない。
てゆうか、そもそも中谷彰宏とか秋元康に愛されたい訳じゃないんだし。
むしろお前ら好みになんかなりたくもないYO!
あぁ、どこかにスクリプトがあって、その通りに演じていればLOVEアカデミー賞のWINNERになれるなら簡単なのに。
私には何ひとつ彼にあげられるものがない。
たったひとつ、彼を愛しく思う気持ちの他は。
だけどそんなもの、場合によってはありがた迷惑。
愛情の押し付けなんて重苦しい。
重いのは私の体重だけで十分。
何もかもが彼に見劣りする私。
多分料理の腕でさえ、私の方が劣るだろう。
彼の周りを彩る華麗な経歴の人々に並ぶと、惨めさは倍増。
所詮、私は彼の物語の中の「脇役その1889」(一端役とゴロ合わせで暗記!)くらいの位置。
これじゃ、アイドルに恋しているのと全く同じ。
こんなこと・・・ホント何にもなりやしない。
目の前にチラつく彼の残像から逃げたい。
彼を忘れさせて。
やっぱり忘れさせないで。
独りだけど何も起こらない、平静な日常に戻らせて。
だけどここに置き去りにしないで。


dark starさんが書いてくれた「ガープの世界」の感想(全然あほうではないです。そもそも感想なんてそんなもの。ココのは文芸批評じゃないからね。)をツッコミに眠らせておくのはもったいないので、無断転載! (問題あれば申し出てくださいね)