BOOKS:ガープの世界 / ジョン・アーヴィング

上巻は正直冗長だなと思ったのですが、それでも死の街ウィーンの売春婦のエピソードや「ペンション・グリルパルツァー」は気に入りました。
で、下巻に入ってガープとヘレンの攻守(笑)が交代して、自動車事故が起こるとお話がいっきに動き出して最後まで面白く読めました。
複線の張り方とかうまいよな。夫婦の日常の些細な行き違いの象徴としてのチェンジレバーのノブとか。
でもよく考えたらスワッピングまで経験してるくせに妻の浮気を知ると嫉妬に狂う夫っていうのは(笑)。
いや、小説の技法上、事故のエピソードは山場だし(夫婦喧嘩ちゅうのガキのわがままのウザさ!)、読んでる時は気にならなかったのでいいんだけど。
全体としても小さな円環構造がいくつもあっておおここがこれにはまるのかと感心したり。
お気に入りの小ネタはガープとシェイプ・アップTシャツの男のやりとり。キャラも立ってるよな。ロバータすげえ好き。
プーこええ。あとエレン・ジェイムズ萌え。
うーむ、あほおなかんそうしか出てこないのですが、でも雨が降ったりやんだりする土曜日に一気読みするにはよい本だと思いました。
(dark star氏談)