ちょっとだけよ



近頃はサイゾーウーマンがプロの鮮やかな筆致で女性誌を満遍なく切り捨ててくれていますので、私はお役ごめんと思っておりましが、某所で漂う天の声を耳にしたような気がして久しぶりに戻ってまいりました。
好きな男の期待についつい過剰に答えようとして却って関係をぶち壊す、駆け引き下手なGです。


と言うわけで美STORY。
昨年に引き続き、再びアラフォー、アラフィフの皆さんが、誰も期待してないのに勝手に脱ぐというアレね。
どんだけ宴会芸・・・。


この熟女、いや、晩嬢ヌード。
とっさに連想するのは、妊婦ヌードであろう。


日本全国に5千人程度はいるかもしれない妊婦マニアを除いて誰も抜けないと思われるヌード。
どうもセレブな皆様はむしろ自ら進んで脱ぎたがる風情である。
その舞台はもちろん「プレイボーイ」でも「GQ」でも、まして「週刊ポスト」であろうはずもない。
「ヴァニティフェア」だったり「ELLE」だったり、「CREA」だったりするのである。
だって、それは「エロ」ではなく「アート」だから。


確かに妊娠というのは一生に一度か二度(人によってはもう何度かあるだろうが)の変体である。
プロの手で美しく記録しておきたいという気持ちもわからんでもない。
何しろ人間というのは食べた物すらマメに記録したがる生き物。


・・・だけどそれを赤の他人に開陳する理由が?


と言いつつ、実は未妊女子の私などは、ソレを結構好んで見てしまう。
神秘を見たいから・・・というよりは、どちらかというともっとグロテスクで下品な好奇心で。
見てはいけないとわかってても見てしまう、機を折る鶴の姿を覗き見する男の気持ち。
アレ見ちゃうと男子の旗は折れちゃいそうだが。(あら失礼)
だって私などいまだに妊婦の乳首に動揺して思わず目を背けちゃいますけど?
(未成熟なアラフォーですみません・・・。)


で。
その「変体していく身体を記録しておきたい」という意味では、熟女ヌードも同じ動機のような気がするのだ。


確かにお題目は「まだまだ若い子には負けないヌード」、つまり変体を食い止める血と汗と涙と努力の記録ということなんだろうけど、どっちかというと腐敗の瀬戸際、賞味期限切れのヨーグルトを食べるべきか否かくらいの危険度である。
食べられなくはないが、あんまり食べたくないという・・・。


私がヌード写真を一見して(とはいえ、山の手のお嬢さん(ウソ)が本屋で立ち読みするには相当に厳しいので、ネットで拝見した画像の感想のみだが)、とっさに浮かんだのは所謂おじさん向けエロマンガの表紙。


乳もデカイが尻もでかい、太ももと腹回りが妙にたるんだ肉付き、パンツというよりパンティという響きが似合うレースの下着(withガーターベルト)、リキッドファンデの上からパウダリーファンデを更に重ねた漆喰メイクとねっとりした目つき、もちろんルージュは深紅。髪はパーマのセミロング。


こういう下町のスナックで働いていそうな女が表紙のエロマンガ雑誌、幼少の頃、倉庫の片隅などでたまに目にして、妙に淫乱な気分になったものだ。


あぁいう雑誌はいったいどういう層が買うのだろうというのは常日頃からの疑問であるが、想像するにおそらくもうとっくに性など卒業してる風情の枯れた肉体の50代以降男子なのではあるまいか。


おそらく40代女子も、50代男子から見れば立派な「おんなのこ」。
聞いたことも調べたこともないが、もし婚活市場において50代男子のターゲットが20代だったら、私はもう何の迷いもなくほうれん草だって小女子だって茶葉だって食べるだろう。


すなわち美魔女の皆さんがそのサイボーグな肢体を披露すべきは美STORYなどではない。
その正しい媒体が何処なのか、ちょっとここには書けませんが。というか知りませんが。


しかしそれを何故かエロともアートとも縁の無い、同年代向けの女性誌で披露するというのは、いったいどういう了見なのだろう?
いったい誰に対して勝ちたいの?
年下女子?(むしろホンモノの若さを持つ彼女達の価値を引き上げてるだけ)
年下男子?(一連の反応を見れば結果がネガティブに効いてることは明白)
同世代の女子?(40年近く生きてきて年相応の分別と品格を身に付けられなかったことを哀れまれるのがオチ)


人間、引き際にしがみつくのがどれほどみっともないかというのは、某国の首相を見てもよくわかってるでしょうに、ねぇ。