マンション買う?買わない?

先日書いた「愛してる、愛してない」、最後まで観たら予想外に面白かったです。
ディテールを少しでも書くと全く面白くなくなるので何もいえないのが残念。
もし観る人がいたら「アメリの(それとも「ダビンチ・コード」の?)オドレィ・トトュ主演のラブストーリー」として観ると、断然面白くなると思いますよ。


さて、たまには金の話でも。
最近会社の人にやたら「マンション買いなよ」って薦められる。
え?それは「(どうせ結婚できないんだから)」っていう後ろの節の省略形かしら?とか思いつつ。
金利で、物件価格もかなり値崩れしてきてる(でもね、実はそれほど落ちてないですよ)今、マンションを買いたいという希望がある人にはなかなか良いタイミングだと思う。


「そうですねぇ、1500万くらいで、今の家より良いとこに住めるマンションがあれば」
私は田舎に家があるので、頭金ゼロで定年までに完済できるローンで今の家賃を返済金額とした場合、このくらいの金額の物件でもギリギリだと思う。
どうしてそういう前提になるかというと、マンションや上モノは資産とは考えられないから。
*1
まぁそれ以前に、性格的に、何かに縛られたくないからというのが大きいけど。


ブクマを集めているChikirinさんの「10年以上のローンはだめです」を読んでそのことを思い出した。*2
この記事は一面的にはとても正しいけど、私はこれは(あえて)金の面からのみ論じていて現実感覚には合わないと思う。
みんながローンを組んでマンションを買うのは、そうしないと適当な広さの家に住めないからだ。
そして長期ローンを組んでマンションを買うことにもそれなりに正当性はある。


35年完済後のマンションなんて資産価値はゼロみたいなものだ。
ゼロとは言わない、もしかしたら少子化対策が当たって、日本に再びベビーブームが来る可能性だって絶対に無いとはいえないし(笑)
35年ローンってのは、つまり35年の長期賃貸契約を結んでいるというそれだけのことなのだ。
但しちゃんと補修しながら使っていけば、35年後にも自分はそこに住めるだろう。
だからそれ以降に家賃として払う金額は、うまくすれば本当に資産になる。
でもその分、マンション自体の価格の分割代金、金利、マンションの維持費や修繕積立金を含めて考えると、おそらく賃貸に住んでいる時よりも高い金額を毎月支払わなければ適当な広さのマンションは買えないだろうし、頭金も支払っているのだから、そこを相殺して考えると頑張って完済後に長生きしなきゃ元がとれないよって感じだけど。


最初に書いたように私がマンションを買わないのは、何かに縛られたくないからだ。
マンションを買えば借金に縛られる。
だけどそれ以上に、その場所に縛られる。
何しろ35年もの長期賃貸契約なのだ。
隣近所にどんな人間が引っ越してくるかもしれない。
好きになった人は海の向こうに住んでるかもしれない(笑)
ある日突然ロハスに目覚めて長野の辺でアグリカルチャに従事するかもしれない。
人生にはいろんな可能性があるって思いたくない?


あとChikirinさんの記事の中で「ちゃんと10年くらい頭金貯めてから」ってあるけど、あのねぇ、それこそこの時代、20代から30代前半の会社員の薄給で、家賃を払いながらかつ貯金をするのって、ホント難しいよ。
だからみんな頭金がほとんど無しでもローン組んでマンション買うんじゃないのかしら。
社宅や寮がある人は貯金する余裕もあるかもしれないけど、でもそういう人たちは安定した大企業にお勤めなので、長期雇用がある程度約束されてるんだよね。
「十分な頭金を貯め」られる人は同時に「長期ローンが組みやすい」という不条理。


だから最初に書いたように、私自身がマンション買うなら、頭金ゼロで計算するのだ。
家賃を払いながらコツコツ貯めた虎の子を突っ込んだんじゃ、それこそ本当に「超粗大ゴミを買う」ことになりかねないのでね。

*1:ここでいう「資産」というのはB/Sでいう資産とは正確には異なる。それでいうと時価を採用するとか色々ややこしい話になって私のアタマでは収集つかなくなるので。ここではもっとざっくりした、価値のあるもの、みたいな感じで使ってます。ちなみに金(GOLD)は資産だと思う、土地も資産だと思う、ゴッホの絵も資産だろう。でも村上隆の作品は資産なのかしら・・・微妙な気がする(笑)

*2:どうでもいいけど、Chikirinさん、金融周りには有名ですよね、ブログが。だから逆にリアルはもう金融とは全然関係ない人なのかなぁとか想像してます。昔はアナリストだったみたいだけどね。