セクハラの境界線
難しい問題よね。
何が一番難しいって、痴漢とかでもそうだけど、外見的自己評価の低い女性にとって、それをソレとして申告すること自体が恥ずかしいという問題はとても大きな壁になる。
「お前、その顔で痴漢されるって勘違いしてんの?」
「おばさん、痴漢してもらえるだけありがたいって思えよ」
もちろん面と向って言われる訳ではない。
内なる意地悪な世間の声に負けて、挙げた手をゆるゆると下してしまうのだ。
(内なる世間は実際の世間以上に世知辛い。)
「私は自分のことは客観的に見ることができるんです。あなたとは違うんです。」というのはこういう時に使うのが正しいセリフ。
セクハラも同様。
まして、セクハラはその線引きが難しい。
下手すると
「何?それモテ自慢?」
と思われてしまう。
私はこう見えて(?)下ネタがすごく苦手だ。
だから前の職場の「下ネタに乗れてこそ女」みたいなノリが本当に苦痛だった。
転職するとき上司に
「お前ももう三十路なんだから、今度の職場じゃ、そういうスクエアなとこ、ちょっと直した方がいいと思うぞ。」
とすら言われた。
どんな人生指南だよ・・・。
幸い今の職場は非常に紳士的で、職場の(公的な)飲み会での下ネタはほとんど一切ない。
(私的な飲み会には参加しない主義なので知らんが。)
そういう意味では、セクハラ問題とも一切無縁だ。
が。
ひとりだけ、私を悩ます人物が。
例えば「メシ行こうよ」の場合。
まぁ同僚なら普通のこと。
けど、それが必ず一対一なら?
そして、さりげなく同僚を巻き込むと、後でクレームをつけられるとしたら?
これはセクハラ?
そいつと二人きりになりたくないから、別のルートで移動しようとすると、何故かそっちに着いて来る。
これは?
「それ言ってたら、社内恋愛成立しないんじゃあ・・・」
ハイ、其の通り。
だから誰にも相談できない。
だってこれじゃまるで私が「その人に好かれてるみたいなんですけど、どうしたらいいですか?」って言ってるのも同然じゃない?
でも私が毎回理由をつけて断ったり、避けたり、なるべく笑顔を控えたりと、涙ぐましい努力をして角を立てないように「NO」をアピールしているのに、それでもそれが続くなら?
「それ言ってたら、押しの一手って戦法が全否定じゃあ・・・」
エェ、其の通り。
しかも、モテ自慢が似合うような女なら、それもイヤミなネタのひとつにもなるかもしれない。
(そして本人不参加の女子飲みで格好のネタにされるであろうことも間違いない。)
だけどそれを、この私が言ったとしたら?
「あのおばさん、何、勘違いしてんの?」
というネタに転換するのではないかという危惧。
それはプライドが許さない。
(最も、セクハラ被害とプライドを天秤にかけて、プライドが勝てる状態なので、大した問題じゃないとも言えるが。)
これによって私が受けているのは軽い精神的な苦痛だけ。
だから、今の段階でこれを「セクハラ」だとは言わないのかもしれない。
単なる職場の「人間関係の揉め事」。
だけどその揉め事を、職場の人間とシェアできない。
これが結構つらい。
以上、非モテのモテ自慢でした。
(違うのに・・・泣)