その人はどうしてその生き方を選んだのか



水商売というのは、私のような田舎者の小市民には最も縁遠い職業のひとつです。
キャバクラやスナックならまだしも、AV女優というのは、全く理解の遥か彼方の人種。


女性は顔が全てと言われ、どれほど人格的に優れていようと、頭脳が高かろうと、お家柄が良かろうと、ブスというだけで価値0リセット・・・というのは、もう何度も何度も書いてきた世の中の男性に対する恨み節ですが(多分私は死ぬまでこのことを恨み続けるだろうし、そのことを事実として、母や祖母の繰り言から知っているのである。)、そんな私から見れば、顔が平均以上というだけで、女として圧倒的にアドバンテージを得ているにも関わらず、何故あえて社会の最下層にまで下りていくのか、本当にさっぱり理解できません。


世の中には私が(本当の意味では)知らない貧しさや厳しさがあるのでしょう。
そこに行かざるを得なかった環境や因果があるのでしょう。
そういえば彼女達の顔には、その美しさの下に、どこかしら影やら険やらが透けて見えるようです。


ということを何故思ったのかというと、たまたま某瑞樹というAV女優の映像を見かけたことがきっかけです。
その彼女のワンピース姿が、どうしようもなく可愛かったのです。
男が100人いたら98人がこんな彼女が欲しい!と思うのではないかという綺麗さ。
普通に綺麗な女優さんなら多分沢山いらっしゃるのだろうと思いますが、私が彼女に釘づけになってしまったのは、その白い肌の下に何かとても寂しげな悲しげな暗いものが見えるように感じるからです。


いったいこんなに綺麗な若い女の子が、どんな悲しい人生を背負って生きているのだろうか。
それを想像するだけで胸が潰れるような思いがするのです。
それに引き比べ、若くもなく、綺麗でもなく、女としてはぞんざいに扱われようとも、オフィスで椅子に座って十分な文化的生活が出来るだけのお給料を頂ける自分の人生は何と恵まれているのだろうと、改めて思う訳です。
だからといって、心がしこりが消える訳では全く無いのですが。


ところで偶にAV女優と付き合う男がいますが(最近だと香川)、男の人は自分が愛する女が世界中に向けて股を開いててもさほど気にならないものなのでしょうか。
別に処女性に価値を置いている訳ではないですが、同性としてAVという職業すら理解できないのに、それを生業にする女性を愛するという特殊な状況が全く私の理解の範疇を超えています。


毎日毎日会社と家の往復をしてると、時々ふと、世の中にはいろんな人がいる、いろんな人生があるということに、(何歳になっても)新鮮な驚きを覚えます。
下ばかり見て歩いてて、周囲の風景の変化に気づかないような、そんな毎日です。


職業としてのAV女優 (幻冬舎新書)

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