ここではない誰か



自分の現状に不満があって耐えがたいとき、妄想に逃避行するのは誰でも同じだろう。
その対象は小説であったり、旅であったり、はたまた転職やら結婚やら・・・。
婚活をしてもうまくいかない女性、というのは、多分本当の目的は結婚して自分の家庭を作ることではない。
彼女たちが求めるものは、極論すれば変身願望なのだ。
今の湿気た自分を変えたいというシンデレラ願望。
だから相手=王子に求める条件やらがどんどん夢見がちになっていき、それは到底実現しえない。


私の場合もいくつか逃避パターンがあって、以前は海外移住をよく夢見たものだ。
ここではない何処かへ。
私を探して旅に出ています。


これはありがちなパターンであろうが、私の場合、もう一つあって、それが「同性に対する過剰な入れ込み」。
我ながら恥ずかしい性癖だ。
大昔はキャロリン・ベセット・ケネディに憧れて、彼女の雑誌記事を片っ端から集めていたことがある。
まだインターネットはさほど普及していなかったから、パパラッチ写真なども日本に入ってくるものは大体同じものばかりで、新しいフォトを見つけた時は本当に嬉しかった。


最近はあまりそういう衝動を感じなかったのだが、最近、日常が非常に閉塞していて鬱っぽくなってるからだろうか、ある日突然私の心をノックする女の子を見つけてしまった。
名前を挙げるのが恥ずかしいのでヒントを書くと、Zaimというスマホアプリを作成している女性だ。
結構色んなところに顔出してるようなので、検索すると沢山ひっかかってくる。
先日、情熱大陸に出てたのノマドワーカーの教祖みたいな女の子と、微妙にキャラがかぶってるような気がするが、いまどきのいけてる女子のひな形というのはこういう感じなんだろうな。


何故彼女が私の琴線に触れるのだろうか。
多分自分がこういう人生を送ってみたかったなという、夢を体現しているように思えるからだろう。
仕事がバリバリできて、でも肩の力は抜けてて、素敵な旦那様までいて、みんなにちやほやされてる(風)。
美人でないけど、細くて肌がきれいというのがまたいい。
私は自分がそうでないから、キメの細かいもち肌で色白な女性というのに非常に憧れる。綾瀬はるかとか、もう俺様が男なら大変な衝動を持て余して大変なことになっちゃう気がする。それをきっかけに犯罪者になるかヒルズ族になってるかどっちかだろう(笑)


しかし40を前にしたおばさんが年下の女性に憧れるというのも随分とグロテスクでわからなすぎる図である。
そもそも、この彼女に対する「興味」が本当に「憧れ」なのかと言われると、やっぱり少し違う気がする。
自分でも説明がつかないので、いろいろ考えて上記の結論を導いた。
その結論はしっくりくる。


それにしても自分ではない誰かになりたいという願望はいくつになっても消えないものなのか。
というかもう少しオトナな女に憧れろよ、自分・・・。