悪女入門|鹿島茂
めちゃめちゃ面白かった。
途中まで内容をまとめたのだけど、データが消失。力尽きたので未完成でUP。気が向いたら後で編集する。
マノン・レスコー
「天真爛漫なファム・ファタル」
生贄:シュヴァリエ・デ・グリュ
悪女:マノン・レスコー
- 悪女にはやたら従兄弟や叔父さんがいる。
- ファム・ファタルは宗教家に似て、現実よりも幻影を見せることに長ける。
- 男は常に自分をほかの男と比較して一喜一憂する悲しい動物。だからウソでも「あなたが一番」と言い続けるべし。
- ファム・ファタル=マイナス無限大地獄。
カルメン
「まんまのファム・ファタル」
生贄:ドン・ホセ
悪女:女工カルメン
フレデリックとベルヌレット
「150年前のノルウェーの森」
生贄:フレデリック・オンベール
悪女:お針子ベルヌレット
- 男は結婚を前提としない付き合いに居心地の良さを感じ、そのあげく恋に落ちることがある。
- 本当に拒絶するつもりの女はただノンというだけ、言い訳するのは口説かれたいだけ。
- 男はティミッドな態度で口にされるセクシュアリティにとりわけ弱い。(参考:「レベッカ」A・ヒッチコック)
- 女がファム・ファタルになるかどうかは、組み合わせの妙。
従兄弟ベッド
「プロのファム・ファタル」
生贄:ユロ男爵他
悪女:ヴァレリー・マルネフ
- ファム・ファタルはちょっとした外出にも「ひどくしゃれた身なり」と「えりぬきの香水のかおり」を欠かさない。いつ何時獲物が寄ってくるかわからないので、常に戦闘準備。
- 「ふと何気ない視線」は演技。「振り返るともなくちらり」=エロモン。
- 男を惹きつける女の魅力は、美貌でもスタイルでもまして心や頭でもなく、男の願望に自分を重ね合わせる変身能力。
- イメージ動物たる男は「自分の心の中の女に向かって欲情する」(名言!)
- 男が高給クラブに通うのは「選べばれる(=モテル)」ということに対する自尊心。愛とも性欲とも無関係。しかも「自分ひとりが選ばれた」という快感。
- 成金にとって女は「見得商品」(トロフィー・ワイフですね)。だから簡単に男とやって裸(文字通りかつ象徴的に)を見せてはダメ。
- しかし「貞淑そうな」女はもてるが「貞淑な」女には男は寄ってこない。
椿姫
「株式会社ファム・ファタル」
生贄:アルマン・デュバル
悪女:マルグリット・ゴーディエ
- フランスの恋愛文学とは「独身青年」と「既婚女性」の恋愛。
- アムール・ヴェナル=金銭を介した(擬似)恋愛
- プロの女性にとってのみ、オム・ファタル(命取りになる男)は存在する。
サランボー「処女ファム・ファタル」
生贄:傭兵隊長マットー
悪女:司令官ハミルカルの娘サランボー
- 動物は嗅覚でフェロモンをキャッチし欲望を刺激される、人間は視覚でフェロモンをキャッチし本能に突き動かされる。
- 処女ファム・ファタルはカマトトぶってるのではなく、単に「鈍い」。その「鈍さ」が男には魅力。
彼方「才能食いファム・ファタル」